パルスサーベイの質問例|毎月聞く5問の選び方と、聞いても打ち手にならない設問
パルスサーベイの設問を決めようとして、聞きたいことを書き出したら30問を超えた。ここから何を削ればよいか分からない。設計の相談で最もよく出てくる場面です。
削る基準がないと、たいてい全部を残す方向に進みます。せっかく聞くのだからと項目が増え、回答に10分かかる調査になります。そして数か月で回答率が落ちます。
削る基準は1つ。その設問で低い数字が出たときに、打ち手が想像できるかどうかです。想像できない設問は、聞いても行動につながりません。
この記事では、目的別の質問例24を挙げたうえで、毎月固定する5問の選び方、避けるべき設問の型、選択肢の作り方を順に整理します。
最後に、手元の設問案を5問に絞り込むプロンプトを載せました。聞きたいことの一覧を貼り付ければ、固定する設問と外す設問が理由つきで出ます。
パルスサーベイの質問例24
パルスサーベイで聞く内容は、大きく6つの領域。それぞれ4問ずつ挙げます。
| 領域 | 質問例 |
|---|---|
| 仕事の負荷 | 今週の業務量は適切だった 締切に無理があると感じた 業務時間内に仕事を終えられた 急な依頼に振り回された |
| 役割の明確さ | 自分に期待されていることが分かっている 優先順位に迷わず進められた 判断に必要な情報が手元にあった 誰に確認すればよいか分かっている |
| 上司との関係 | 相談したいときに相談できた 自分の状況を上司が把握していると感じる 仕事の進め方について意見を言えた 評価の根拠が納得できる |
| チームの状態 | 困っている人に手が回っている 必要な情報が共有されている 意見の食い違いを話し合えている 新しく入った人が仕事を進められている |
| 成長の実感 | 今月新しくできるようになったことがある 自分の力が発揮できている 学ぶ時間を取れている この先のキャリアの見通しがある |
| 会社への納得 | 会社の方向に納得している 決まったことの理由が説明されている 制度の変更が現場に合っていると感じる 人に薦められる職場だと思う |
このうち毎月聞くべきなのは、短期間で答えが変わりうる領域だけです。仕事の負荷と役割の明確さは週単位でも動きます。一方でキャリアの見通しや会社への納得は、月ごとに大きく変わるものではありません。
パルスサーベイで毎月固定する5問の選び方
24問から5問に絞る基準は3つ。すべてを満たすものだけを残します。
- 短期間で答えが変わりうるか … 毎月聞いても同じ答えになる設問は、比較しても変化が出ません。負荷や情報共有のように、状況に左右される項目を選びます。
- 低い数字が出たときに打ち手が想像できるか … 「業務時間内に仕事を終えられた」が下がれば、業務量の配分を見ます。「人に薦められる職場だと思う」が下がっても、次の行動が決まりません。
- 回答者が事実として答えられるか … 「〜と感じる」より「〜できた」のほうが、その週に起きたことを思い出して答えられます。主観の揺れが小さくなります。
3つを当てると、多くの場合は仕事の負荷と役割の明確さ、上司との関係、チームの状態から選ぶことになります。成長の実感と会社への納得は、年1回のセンサスサーベイ側で聞くほうが向いています。
なお、固定する5問に加えて1問から2問を入れ替え枠にしておくと、その時期に聞きたいことを拾えます。固定枠と入れ替え枠を分けておくことが、比較を保ちながら柔軟に運用する条件になります。
パルスサーベイで避ける4つの設問の型
設問の書き方でつまずく型は決まっている。次の4つは、集計してから気づくと直すのに1周期かかります。
| 避ける型 | 例 | なぜ避けるか |
|---|---|---|
| 2つのことを同時に聞く | 上司は相談に乗ってくれ、適切な助言をくれる | 相談できるが助言は的外れ、という人が答えられない |
| 否定形で聞く | 業務量が多すぎると感じない | 「そう思わない」がどちらの意味か分からなくなる |
| 期間を書かない | 業務量は適切だ | いつの話か人によって違い、比較できない |
| 誘導する言い方 | 当社の充実した研修制度を活用できている | 低く答えにくくなり、実態より高く出る |
特に3つ目の期間の指定は、パルスサーベイでは必須。「今週」「この1か月で」と明示しないと、回答者ごとに思い浮かべる期間が変わり、変化を追う目的が果たせなくなります。
設問の書き方全般については、エンゲージメントサーベイの質問項目で9カテゴリの設問例とともに解説しています。
パルスサーベイの選択肢は4段階か5段階で作る
設問と同じくらい、選択肢の設計が結果を左右します。実務では次の形が扱いやすくなります。
- 4段階 … そう思う・ややそう思う・あまりそう思わない・そう思わない。真ん中がないため、どちらかに寄せる必要があります。傾向を出したいときに向きます。
- 5段階 … 上に「どちらともいえない」を加えます。回答者の負担は下がりますが、真ん中に集まりやすくなります。
パルスサーベイでは4段階を推奨します。毎月同じ設問に答える形式では、真ん中の選択肢があると、内容を読まずにそこを選ぶ回答が増えるためです。
ただし、答えようがない設問に4段階を使うと、無理に選ばせることになります。その場合は設問そのものを見直します。
パルスサーベイの設問を5問に絞るプロンプト
手元の設問案を絞り込むときは、次のプロンプトを使ってください。
あなたは組織開発の専門家です。
当社はパルスサーベイを月1回の頻度で実施します。
【設問の候補】
(聞きたいことを箇条書きで貼り付け)
次の手順で整理してください。
1. 各設問を、次の3つの基準で1つずつ判定してください。
・短期間で答えが変わりうるか
・低い数字が出たときに打ち手が想像できるか
・回答者が事実として答えられるか(感じ方でなく、できたかどうか)
3つすべてを満たすものだけを残します。
2. 残った設問から、毎月固定する5問を選んでください。
同じ領域に偏らないよう、負荷・役割・関係・チームから
なるべく分散させてください。
3. 選んだ5問を、そのまま配信できる文面にしてください。
条件は次の3つです。
・「今週」または「この1か月で」と期間を明示する
・1つの設問で2つのことを聞かない
・否定形を使わない
4. 選択肢を4段階で作り、各段階の文言も書いてください。
5. 外した設問について、3つの基準のどれを満たさなかったかを
1行ずつ書いてください。
5番目を必ず出させてください。外した理由が残っていると、次に「この設問も入れたい」と言われたときに、同じ議論を繰り返さずに済みます。
パルスサーベイの設問は削る基準を先に決める
設問の設計でつまずくのは、聞きたいことが多いからではなく、削る基準がないからです。基準さえあれば、30問から5問への絞り込みは30分で終わります。
基準は3つ。短期間で変わるか、打ち手が想像できるか、事実として答えられるか。このうち2つ目が、聞いて終わりにしないための条件になります。
決めた5問は、少なくとも半年は固定します。比較できるデータが溜まって初めて、変化の検知という目的が果たせます。運用の設計についてはパルスサーベイとはをご覧ください。
なお、設問の設計と絞り込みは、リデザインワークのサーベイ活用支援でも無料でご相談を承っています。






