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Copilotでパワポを作成する指示の例|社内資料4種・テンプレートの使い方と作り直しになる指示

来週の部長会で使う業務報告を、Copilotに作らせてみた。「総務課の先月の業務報告の資料を作って」と入力すると、8枚のスライドが並ぶ。ところが背景は会社のテンプレートと違う色で、本文には一般論と、誰も集計していない数字が入っていた。結局、いつものテンプレートを開いて作り直した。

資料の作り直しは、Copilotを使う前から多くの職場で時間を奪っています。

PowerPointのアドインを提供するthink-cell Japanのビジネスパーソン残業実態調査(2023年11〜12月)は、PowerPointやExcelで月に1回以上資料を作る20〜60歳の712人が対象です。就業時間に占める資料作成の割合は、平均約18%でした。

同じ調査で、直近1か月に資料の不備などによる作業の遅延や誤解を経験した人は74.8%、その結果として資料の修正や作成が増えた人は60.6%です。資料作成の時間を減らすには、作る速さだけでなく、作り直しの回数を減らす必要がある。Copilotで作る場合も同じです。

Copilotのパワポが作り直しになる原因の多くは、性能ではなく、指示に入れた材料と、作り始めるファイルと、直す順番にあります。この記事を読み終えると、担当する社内資料について、Copilotに渡す指示文と材料を決め、社内テンプレートのまま下書きを作れるようになります。

前提のライセンス、作り直しになる3つの原因、指示の書き方、テンプレートとWordの原稿から作る手順、直し方の順に説明する。

記事の中ほどには、月次の業務報告・業務改善の提案・社内説明会・プロジェクトの計画の4種について、そのまま貼れる指示文を載せました。【】を自部署の数字と事実に差し替えて送れば使えます。

Copilotの回答が全般に一般論になりやすい理由は、Copilotが使えない原因で整理しています。

Copilotでパワポを作成する前に確認するライセンスとファイル形式

指示の書き方に入る前に、PowerPointでCopilotを使える環境かを確認します。Microsoftの所有している Copilot ライセンスの種類のページ(2026年4月更新)によると、ラベルは3種類ある。

ラベル 公式ページの説明
Copilot Chat(基本) Word・Excel・PowerPoint・OneNoteのCopilotにアクセスできない
M365 Copilot(基本) アプリでのCopilotへの標準アクセスは可能
M365 Copilot(Premium) Word・Excel・PowerPoint・OneNoteでCopilotのすべての機能に優先アクセスできる

ラベルは、職場のアカウントでMicrosoft 365にサインインし、ホームページの一番下に表示される名前の下で確認できます。Copilot Chat(基本)なら、PowerPointでの資料作成には使えない。

PowerPointのよく寄せられる質問には、次の条件も書かれている。

  • 使えるのはPowerPointのファイル(.ppt・.pptx)だけで、インターネット接続が必要
  • ファイルからの作成など一部の機能は、Microsoft Designerのライセンスがある場合にのみ動く

ボタンは、2026年7月更新のCopilot ボタンを見つけて有効にする方法によると、既定でプレゼンテーションの右下隅に表示されます。無償版と有償版の違いはCopilotの使い方で整理しました。

Copilotで作ったパワポが作り直しになる3つの原因

環境がそろっていても、作り直しになれば、Copilotを使わない場合より時間がかかる。原因は大きく3つです。

原因1 指示に自社の数字と事実が入っていない

1つ目は材料の不足です。よく寄せられる質問によると、Copilotはインターネット全体の言語パターンに基づいてスライドの内容を生成し、同じ指示には同じような内容を返す場合がある。

「先月の業務報告を作って」とだけ頼み、材料もファイルも渡さなければ、Copilotは先月の出来事を知りようがない。それでも8枚分の本文は埋まるため、報告らしい一般論とそれらしい数字が並びます。

原因2 社内テンプレートを開かずにCopilotに作らせている

2つ目はテンプレートです。Microsoftの新しいプレゼンテーションを作成するページによると、社内テンプレートから始めるとテーマとデザインを保持することがCopilotに伝わり、既存のレイアウトでスライドが作られます。

白紙から作らせると、Copilotが選んだデザインで出てくる。社内テンプレートに貼り直す作業が、そのまま作り直しになります。

原因3 構成を確認しないまま全スライドを作らせている

3つ目は作る順番です。同じページの手順では、Copilotはスライドの前にアウトライン(各スライドの見出しと内容の一覧)を出し、利用者がチャットで直してからスライドを作らせます。ここで順番や枚数の違いに気づかずに進むと、構成を直すたびに複数のスライドが作り直しになる。

原因1は指示文の材料で、原因2は作り始めるファイルとテンプレートの中身で、原因3は確認の順番と直し方で防げます。以降の節は、この順に対応している。

作り直しが続けば、担当者は自分で作ったほうが早いと判断し、Copilotを開かなくなります。楽をしていると見られて使われない職場の事情は、AI活用が「楽をしている」と見られる職場で扱いました。

現場がAIを開かない理由を、役割を失う不安や手を抜いていると見られる怖さから説明し、推進する側が突き当たる4つの思い込みと解消の方法を整理したのが、資料『AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~』です。

AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~
お役立ち資料|AX(AI活用)推進

AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~

環境も研修も用意した。それでも現場はAIを開かない。止めているのは理解不足ではなく、役割を失う不安や手を抜いていると見られる怖さです。AX推進責任者が必ず突き当たる4つの思い込みと、そのほどき方を解説します。

資料をダウンロード

Copilotへのパワポ作成の指示は読み手・目的・枚数・材料の4要素で書く

原因1の材料の不足は、指示文に入れる要素を決めておけば防げます。MicrosoftのCopilot in PowerPoint で編集するのページ(2026年10月更新)は、指示の例に次の文を挙げている。

「私のリーダーシップ チーム向けに、市場動向、競争環境、現在の位置、主要な成果、未解決のリスク、次の四半期の計画をカバーする 12 枚のスライドのビジネス レビューを作成してください」

この例には、読み手と枚数と載せる項目が入っています。社内資料では、ここに目的と自社の材料を足す。

要素 指示に書く内容 書かないと起きること
読み手 部長会・課内・全社員など 言葉の硬さと説明の詳しさが合わない
目的 実績の報告・承認を得る・手順の理解 承認がほしいのに判断事項のスライドがない
枚数と各スライドの項目 全体の枚数と1枚ごとの項目 枚数と順番が想定と違う
材料 実績の数字・決まったこと・日付・担当者名 一般論と根拠のない数字が入る

指示の最後には「材料に書いた数字と事実以外は追加しない」「材料が足りない箇所は【要確認】と書く」の2行を入れておきます。材料にない数字が入りにくくなり、人が確認すべき箇所も一目で分かるからです。

社員の氏名や評価などの個人情報を材料に入れてよいかは、会社の利用ルールで決まります。判断の目安は事務職のChatGPT活用法で扱いました。

社内資料4種のCopilotへの指示の例

4つの要素を、管理部門でよく作る社内資料に当てはめた例です。社内テンプレートを開いた状態でCopilotの入力欄に貼り、【】を差し替えて送ります。

月次の業務報告をCopilotで作る指示

部長会で報告する、【総務課】の【9月】の業務報告を6枚で作成してください。
目的は、実績の報告と、部長会で判断してほしい事項の承認を得ることです。

各スライドの項目:
1. 表紙(部署名・対象月・報告日)
2. 今月の実績(下の材料の数字を表にする)
3. 前月から増えた業務とその理由
4. 発生した問題と対応の状況
5. 来月の予定
6. 部長会で判断してほしい事項

材料:
・社内問い合わせの件数 今月【 】件、前月【 】件
・備品発注の件数 今月【 】件、前月【 】件
・発生した問題 【内容・対応・残っている作業】
・判断してほしい事項 【内容・期限】

条件:
・材料に書いた数字と事実以外は追加しない
・材料が足りない箇所は【要確認】と書く
・1枚の本文は箇条書き5行以内にする

項目を番号で書いておくと、アウトラインの段階で順番と枚数のずれに気づける。実績の集計の指示文はCopilotのExcelでの使い方にまとめました。

業務改善の提案をCopilotで作る指示

【経理部長】の承認を得るための、【請求書の受付業務】の改善提案を7枚で作成してください。
読み手は部長で、判断に必要な数字を最初の2枚で示します。

各スライドの項目:
1. 提案の要旨(何を変えて、月に何時間減るか)
2. 現在の業務量(件数と時間)
3. 時間がかかっている原因
4. 改善案(変える手順を変更前と変更後で比べる表)
5. 効果の試算(計算式も書く)
6. 必要な費用と体制、日程
7. 判断してほしい事項

材料:
・月の処理件数【 】件、1件あたりの時間【 】分
・時間がかかっている原因【 】
・改善案【 】
・費用【 】円、担当【 】

条件:
・効果の数字は材料から計算し、計算式をスライドに書く
・材料にない効果を足さない
・材料が足りない箇所は【要確認】と書く

計算式を書かせておけば、数字の根拠を聞かれてもその場で説明できます。提案を通す報告の構成は、業務改善を上司に相談する方法で扱っています。

制度や手続きの社内説明会の資料をCopilotで作る指示

全社員向けの説明会で使う、【通勤手当の申請手続きの変更】の説明資料を5枚で作成してください。
目的は、対象者が変更点を理解し、期限までに申請を終えることです。

各スライドの項目:
1. 変更の要点(何が・いつから変わるか)
2. 対象になる人とならない人
3. 申請の手順(番号つきの手順)
4. 期限と提出先
5. 問い合わせ先

材料(規程と案内文の該当箇所を貼り付け):
【 】

条件:
・規程の内容は材料の原文に沿って書き、該当する条番号を添える
・材料にない例外や特例を書かない
・専門用語には1行の説明を添える

社員向けの資料で避けたいのは、規程にない例外がもっともらしく書かれることです。条番号を添えさせると、原文との照合も速くなる。

プロジェクトの計画をCopilotで作る指示

関係部署の担当者に向けた、【勤怠システムの切り替え】プロジェクトの計画資料を6枚で作成してください。
目的は、各部署の役割と日程について合意を得ることです。

各スライドの項目:
1. 背景と目的
2. 対象範囲(含むもの・含まないもの)
3. 体制(部署・担当者・役割の表)
4. 日程(月ごとの作業と期限)
5. 各部署に依頼すること
6. 次回の会議で決めること

材料:
【決まっている日程・担当者・範囲を箇条書きで】

条件:
・決まっていない担当や日程は【未定】と書く
・材料に書いた日付以外は入れない

未定の担当や日程をCopilotが埋めると、会議で決定事項のように扱われるおそれがある。未定と書かせれば、次回に決める論点の一覧になります。

社内テンプレートを使ってCopilotでパワポを作成する手順

指示文が決まったら、次は原因2のテンプレートです。白紙から作らせず、社内テンプレートを開いた状態で依頼します。

  1. 社内テンプレートから新しいプレゼンテーションを作る(Windows版で組織のテンプレートが登録されていれば、[ファイル]>[新規作成]から組織名のフォルダーを開いて選ぶ)
  2. 画面の右下隅にあるアイコンからCopilotを開く
  3. 会社がブランドキット(承認済みのテンプレートや色やフォントをCopilotに使わせる設定)を用意していれば、[+]から[ブランドの選択]で選ぶ
  4. 指示文を送り、アウトラインを確認してからスライドを作らせる
  5. 崩れたスライドだけを選び、「デッキの残りの部分に合わせてこのスライドのスタイルを変更してください」と指示する

組織のテンプレートの機能には、Microsoft 365 E3かE5が必要です(organizationのテンプレートを使用する)。登録のない会社では、テンプレートのファイル(.potx)を先に開いてから依頼する。5番目は公式ページに載っている指示の例です。

テンプレートを開いても汎用的なレイアウトになるときの確認点

デザインが崩れる原因は、指示ではなくテンプレートの作りにあることも多い。Microsoftのブランド イメージを維持するのページ(2026年7月更新)は、Copilotがテンプレートから読み取る内容を次のように説明しています。

確認する点 公式ページの説明
サンプルスライド 十分にないとスライドマスターにフォールバックし、出来が下がる可能性がある
本文の枠 テキストボックスではなくテキストプレースホルダーを使う
枠の中の文言 レイアウトの意図を理解するために使われない
色とフォント 1回限りの書式設定ではなくテーマの定義から学習する

利用者が自分で直す必要はありません。テンプレートを管理する広報や総務に、この表を添えて、表紙・本文・表・日程などのサンプルスライドの追加を依頼する。

Wordの原稿からCopilotでパワポを作成する手順

材料の不足と構成のずれを同時に防げるのが、先にWordで原稿を書き、スライドにする作業だけをCopilotに任せる作り方です。内容を人が決めてから形を整えさせるので、一般論で埋められる余地が小さくなる。

リデザインワークのAX支援でも、AIに任せる作業を決める前に、業務を人が判断する工程と形を整える工程に分けます。資料作成でいえば、内容と数字を決める原稿までが前者、スライドの形にする作業が後者にあたります。

ファイルから作る機能は、PowerPoint の Copilot へようこそのページによると、Microsoft 365 Copilot(2026年にMicrosoft Copilotへ名称変更)のライセンスが必要です。

  1. Wordで原稿を書き、スライド1枚にしたいまとまりごとに見出しのスタイルを付ける
  2. 載せたい図や写真はWordの原稿に入れておく
  3. 原稿は24MB未満にし、長い場合は章ごとに別のファイルに分ける
  4. 社内テンプレートを開き、Copilotで[ファイルからプレゼンテーションを作成]を選ぶか、入力欄に「/」と入力して原稿を選ぶ
  5. 下書きができたら、読み手や枚数の調整をチャットで指示する

1番目から3番目の24MB未満までは、新しいプレゼンテーションを作成するページの説明に基づく。Wordのスタイルで整理するとスライドへの分け方をCopilotが理解しやすくなり、文書にある画像もCopilotが組み込もうとします。

長い原稿を分けるのは、ドキュメントの長さが Copilot の応答に与える影響のページに、長いファイルでは先頭と末尾が優先される傾向があると書かれているためです。5番目を後に回すのも、ファイルを参照する指示には追加の条件を書き添えられないと公式ページにあるからです。

画面は更新が続いています。項目名が見当たらない場合は、新しいプレゼンテーションを作成するページで最新の手順を確認してください。

生成されたパワポで人が確認する4か所

どの作り方でも、配る前に次の4か所は人が確認する。よく寄せられる質問も、生成される内容は不正確または不適切な場合があるとしています。

確認する箇所 確認の方法
数字 原稿や集計表の数字と1つずつ照合する
固有名詞と日付 部署名・システム名・期限を原稿と照合する
画像 AIで生成した画像は発表者ノートに示される。社員の写真は本人の同意を確認する
結論のスライド 判断事項や依頼事項が目的と合っているかを読む

作り直しになるCopilotへの指示と直し方

下書きができたあとの直し方でも、作り直しは起きる。直したくないスライドまで変わる指示や、Copilotの動作に合わない指示があるためです。

作り直しになる指示 起きること 代わりの指示
「〇〇の資料を作って」だけ 一般論と根拠のない数字が入る 読み手・目的・枚数・材料を書く
「もっと見やすくして」 直す箇所が伝わらず、直したくない箇所まで変わる場合がある スライド番号と変える点を書く
「全部の情報を1枚に入れて」 文字と枠の大きさは変えず、別のデザイン要素を足す場合がある 2枚に分けるか、要点を3行に絞らせる
ファイルの参照と同時に条件を書く 条件を足せない 下書きの後にチャットで指示する
テンプレートの枠に指示を書いておく 枠の中の文言は指示として使われない 指示は入力欄に書く

3行目は、ブランド イメージを維持するページの説明によります。

スライド番号を指定する直し方は、公式ページにも「英国の対象ユーザー向けにスライド 4-6 を更新してください」という例がある。構成の変更はアウトラインの段階で済ませ、その後は番号を指定して1枚単位で直せば、全体の作り直しは起きにくくなります。

なお、社内資料の作成を含め、Copilotをどの業務にどう当てはめるかは、リデザインワークのAX支援でも無料でご相談を承っています。

Copilotのパワポ作成は原稿と材料を人が決めるほど作り直しが減る

3つの原因は、いずれもCopilotの性能ではなく、渡す材料と、作り始めるファイルと、直す順番の問題でした。

Copilotに任せるのは、決めた内容をスライドの形にする作業です。何を伝え、誰に何を判断してもらうかは、人が原稿の段階で決める。この分担にすると、下書きは数字と固有名詞を照合すれば使える水準に近づきます。

明日できるのは、来月の定例報告の原稿を見出しのスタイル付きでWordに書いておくことです。その原稿からテンプレートのまま作れば、毎月の作業は原稿の更新と数字の照合が中心になる。繰り返す業務を誰が担当しても同じ手順で回す考え方は、業務の標準化とはで説明しています。

リデザインワーク 編集部

リデザインワークは、仕組みを変え、行動を変え、企業成長と多様な個人の活躍が同時実現できる企業づくりを、HRコンサルタントとAIプロダクトで支援する会社です。経営戦略と一貫した人事戦略を描くだけでなく、それが現場に定着し行動が変わるまで伴走する中で得た知見やノウハウを発信しています。

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