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CopilotでTeams議事録を作る方法|文字起こし設定・指示文と決定事項が抜ける3つの原因

部内定例のあと、課長に「Copilotで議事録を出しておいて」と頼まれ、会議チャットのCopilotが出した要約をそのまま共有した。翌週、「先週決めた締め切りの件、議事録にないよね」と言われて見返すと、誰がいつまでに何をするかが一行もありません。

Copilotの議事録は速く作れますが、会議の中身をすべて拾うとは限りません。Microsoftが社員60人を2組に分け、参加できなかった35分の録画会議を要約させた実験に、その両面が出ています。

Copilotを使った組は11分13秒で終え、使わなかった組の42分34秒より約3.8倍速かった。一方、満点の要約に必要な15の詳細のうち、含めたのはCopilotの組が11、使わなかった組が12でした(Microsoft Work Trend Index 特別レポート、2023年11月)。

時間は4分の1近くに縮むが、拾える詳細は人より少し減る。落ちた1つが決定事項なら、その議事録は使えません。

この記事を読み終えると、自部署の定例会議について、文字起こしの設定、Copilotへの指示、会議中に口に出すことを決められます。前提の設定、会議中と会議後の使い方、決定事項が抜ける3つの原因、指示文、録音前のルール、会議の進め方の順に説明する。

記事の中ほどには、会議後に貼るだけで決まったこと・担当者・期限を表にし、発言から読み取れない項目を「未定」と示す指示文を載せました。人事や総務の業務全体でのCopilotの使いどころは、Copilotの使い方(人事の労務・給与・採用)で整理しています。

CopilotでTeams議事録を作るためのライセンスと文字起こしの設定

議事録の作り方に入る前に、Copilotが会議で動く条件を整理します。条件がそろわないまま試すと、ボタンが出ない、会議後に何も聞けない、といった理由で使うのをやめてしまうためです。

まずライセンス。Microsoftの公式サポートページは、TeamsでCopilotを使うには「Microsoft 365 と Microsoft Copilot ライセンスが必要」としています(Microsoft Teams の Copilot へようこそ)。

ここでいう Microsoft Copilot は、有料版の Microsoft 365 Copilot が2026年に名称を変えたものです(Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ)。

ただし会議の開催者は、ライセンスがなくても自分の会議でのCopilotの使い方を設定できる。

設定は会議ごとに行います。Teamsの[カレンダー]で会議を選んで[オプション]を開き、[Copilot とその他の AI]で次の3つから選んで[適用する]を押します(Teams の会議や通話を文字起こしまたは記録せずに Copilot を使用する)。

設定 文字起こし 会議後に残るもの 向いている会議
会議中および会議後 必要 トランスクリプトとCopilotとの会話 部内の定例・プロジェクト会議
会議中のみ 不要 文字起こしされなかった部分とCopilotとの対話は残らない 記録を残さない打ち合わせ
オフ 録画と文字起こしも無効 会議チャットのCopilotだけが、チャットの情報で答える 人事評価の調整など機密を扱う会議

議事録を会議後に作るなら、選ぶのは「会議中および会議後」です。会議が終わった後に何が話されたかをCopilotに聞くには、トランスクリプト(文字起こしの記録)が必要だからです(Teams で Microsoft Copilot を使用して会議に追いつく)。

文字起こしは、会議コントロールの[その他のアクション]から[文字起こしの開始]を選び、話している言語を確認して始める。録画した場合は自動で始まります(ライブ トランスクリプトを開始、停止、ダウンロードする)。

なお、取引先が開催する会議では使えません。公式ページには「Copilot は、参加者の組織の外部でホストされている会議では機能しません」とある。

Teams会議の議事録は会議中と会議後でCopilotを開く場所が違う

設定が整えば、Copilotを使う場面は会議中と会議後の2つに分かれます。開く場所と頼めることが、それぞれ違う。

場面 開く場所 議事録づくりでの使い方
会議中 会議コントロールの[Copilot] ここまでの決定事項と未決の論点を一覧にする
開始から5分以上たって参加したとき 通知の[Copilot を開く] それまでの要約を読んでから議論に加わる
会議の終了10分前 Copilotからの問いかけ 会議を終えるためのメモとアクション アイテムを出す
会議後 会議チャットの右上、または[要約]タブ 議事録の下書きを作る

会議中のCopilotとの会話は、ほかの参加者には見えません。残すには、応答をコピーして会議チャットに貼るか、1,300文字を超える応答なら[Word で開く]で書き出して共有します。

会議後のCopilotは、会議チャットの内容とトランスクリプトの発言をもとに答え、回答に使った情報源も示す。

Copilotの議事録で決定事項が抜ける3つの原因

使い方が分かっても、冒頭の場面のように決定事項の抜けた議事録は出ます。Microsoftのよくある質問も、会議のCopilotの要約は簡潔で「会議の内容が必ずしも 100% 網羅されるとは限りません」としています(Microsoft Teams の Copilot についてよく寄せられる質問)。

抜ける原因は大きく3つ。根本は共通で、会議後のCopilotが答えの材料にするのは、会議チャットとトランスクリプトに残った文字です。材料にない決定は、議事録にも書けません。

原因1 文字起こしされていない時間に決めている

1つ目は、記録の範囲の外で決めているケースです。議題に入ってから文字起こしを始めると、冒頭5分の前回の宿題の振り返りで決めた締め切りはトランスクリプトに残らない。話している言語の設定が実際と違う場合も、文字起こしの精度が落ちます。

原因2 決定が指示語と画面で示され発言に残っていない

2つ目は、決定が言葉になっていないケース。画面に2つの案を映して「じゃあ、こっちで」と合意すると、トランスクリプトに残るのは「こっちで」という発言だけです。Teamsのホワイトボードに書いた結論は、会議の録画にも記録されません。

顔ぶれの決まった定例会議ほど、この抜け方が起きやすくなります。前提を共有しているので、「いつもの形で」「それで」の一言で合意が済むからです。人の記録係なら文脈で補えるが、会議後のCopilotが読み取るのはトランスクリプトとチャットに残った文字になる。

原因3 担当者と期限が口に出されていない

3つ目は、担当者と期限が発言にないケースです。「誰か見ておいてもらえますか」「来週あたりで」で終わると、担当者と期限は記録のどこにもない。

公式のよくある質問も、回答は確率に基づいて生成されるため正確とは限らず、行動の前に事実を再確認するよう求めています。発言にない担当者が議事録に書かれていたら、それは裏づけのない推測です。

Copilotで議事録を作る指示文と議事録の型

3つの原因のうち、原因3の担当者と期限の不足は、会議後の指示文で見つけられます。推測させずに「未定」と書かせれば、人が見るべき箇所が一目で分かるからです。原因2の指示語で決まった項目も、判断できない箇所として挙げさせられる。

項目 Copilotに任せる範囲 人が確認すること
会議の目的 1行の下書き 招待状の議題と合っているか
決まったこと 発言からの抽出 決めた本人の認識と合っているか
次にやること 担当・内容・期限の表 「未定」を埋める
決まらなかったこと 持ち越す論点の抽出 次回の議題に入れるか
共有の範囲 任せない 社外に出してよいかを開催者が決める

会議が終わったら、会議チャットの右上か[要約]タブからCopilotを開き、次の指示文を貼り付けます。上の型に沿った下書きが返ってくる。

この会議のトランスクリプトと会議チャットから、議事録の下書きを作ってください。

【出力の形】
1. 会議の目的:1行で
2. 決まったこと:1項目1文で。決まったときの発言を引用して添える
3. 次にやること:担当・内容・期限の3列の表にする
4. 決まらなかったこと:次回に持ち越す論点を箇条書きにする
5. 確認が必要な点:決定か提案かを発言から判断できない箇所

【条件】
・発言とチャットにない内容は書かない
・担当や期限が発言にない場合は、推測せず「未定」と書く
・「こっちの案」「それで」など指示語で決まった項目は、
  何を指すかが発言から分からなければ「確認が必要な点」に入れる
・社内向けの共有文として、です・ます調で書く

人が見るのは「未定」と「確認が必要な点」の2か所だけです。参加者にそこだけを聞いて埋めれば、議事録として共有できます。

それでも、下書きを使わずに一から書き直す担当者はいる。AIに任せると手を抜いていると見られる、という不安が理由のこともあります。その構造はAI活用が「楽をしている」と見られる職場で扱いました。

こうした不安は、議事録に限らずAIの活用全体で起きます。環境も研修も用意したのにAIが使われない職場で、推進の担当者が突き当たる4つの思い込みと解き方を整理したのが、資料『AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~』です。

AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~
お役立ち資料|AX(AI活用)推進

AIによる業務効率化が進まない理由 ~人・組織編~

環境も研修も用意した。それでも現場はAIを開かない。止めているのは理解不足ではなく、役割を失う不安や手を抜いていると見られる怖さです。AX推進責任者が必ず突き当たる4つの思い込みと、そのほどき方を解説します。

資料をダウンロード

Teamsで録音と文字起こしを始める前に決める4つのルール

指示文で見つけられるのは、原因3の担当者と期限の不足と、原因2の指示語で決まった項目までです。原因1の文字起こしされていない時間をなくすには、会議の最初から文字起こしを始める必要がある。ただし、どの会議でも録音してよいわけではないため、次の4つを先に決めておきます。

  1. 参加者への通知と同意 録画や文字起こしを始めると、参加者全員に通知が表示されます。公式ページは「地域によっては、記録する前に全員の権限が必要になる場合があります」と案内している。招待状に文字起こしとCopilotを使うことを書き、冒頭でも口頭で伝えます。
  2. 機密を扱う会議の設定 人事評価の調整会議や、社員の健康・家庭の事情を扱う面談は「オフ」にします。「会議中のみ」でも、組織の Microsoft Purview のアイテム保持ポリシーによっては、Copilotへの質問と応答が保持される場合があるからです。記録は一切残らない、とは参加者に説明できません。
  3. 社外へ送る議事録の確認 自社が開催する取引先との会議でも、議事録を送る前に共有してよい範囲を開催者が判断します。[要約]タブの[共有]から[メールで共有]を選ぶと、[AI 概要]を載せたOutlookの下書きができる。宛先には組織外の参加者も含めて会議に招待された人が入るため、送信前に宛先と本文を見直します。
  4. 録画とトランスクリプトの保存 録画は OneDrive か SharePoint に保存され、既定でダウンロードと削除ができるのは開催者と共同開催者です。有効期限は管理者の設定で決まる。議事録を確定した後に、録画とトランスクリプトを残すかを開催者が決めます。

[AI 概要]を含むインテリジェント要約は、Teams Premium か Microsoft 365 Copilot ライセンスで使える機能です(Microsoft Teams の要約)。

4つのルールを会議の種類に当てはめると、次のようになります。

会議の種類 Copilotの設定 文字起こし 議事録の作り方
部内の定例・プロジェクト会議 会議中および会議後 冒頭で開始する 指示文で下書きし、未定を埋める
自社が開催する取引先との会議 会議中および会議後 相手に伝えてから開始する 送る前に共有の範囲を開催者が決める
取引先が開催する会議 自社では使えない 相手の運用に従う 人がメモを取る
人事評価の調整・個人の事情を扱う面談 オフ 開始しない 人がメモを取る

社員の個人情報をAIに入力してよい範囲を経営と決める手順は、人事部の生成AI導入で扱っています。管理者がTeamsの設定を変える場合に、社内規程とテナントの設定を同時に決める手順はAIガバナンスの作り方で整理しました。

決定事項がCopilotの議事録に残る会議の進め方

録音のルールが決まれば、原因1は会議の冒頭で文字起こしを始めることで防げます。残るのは、原因2の指示語で決まる決定と、原因3の口に出されない担当者と期限です。発言にないものはCopilotにも拾えないため、会議の進め方を次の5つに変えます。

  1. 招待状の説明欄に議題と決めることを書く 「11月の研修日程を決める」のように、会議の終わりに何が決まっていればよいかを書く。Microsoft 365 Copilot ライセンスがあれば、Teamsのファシリテーター(会議の進行を補助するAIの機能)が会議の説明から議題を読み、議題ごとの時間を表示します。
  2. 冒頭で文字起こしを始め、話している言語を確認する 前回の宿題の振り返りから記録に残します。
  3. 決めたら司会が一文で読み上げる 「決定、研修は11月20日に本社の会議室で行う」。こっちの案、ではなく名詞で言い直す。
  4. 担当者と期限を口に出す 「担当は総務の田中さん、期限は11月7日」。誰かお願いします、で終えません。
  5. 終了10分前にCopilotの一覧を読み合わせる Copilotは終了10分前に、会議を終えるためのメモとアクション アイテムが必要かを尋ねてきます。出てきた一覧を画面に映し、未定の項目をその場で決める。

手順3と4は、Copilotのためだけの作業ではありません。会議に出ていない人が議事録を読んだときに、何が決まったかを取り違えないための作業でもあります。

半日の研修のような長い会議は、区切り方も決めておく。公式のよくある質問は、約2時間以上の長い会議を小さく分けることを勧めています。

5つの手順を入れると、会議後の確認は「未定」の欄を埋めるだけになります。清書に使っていた時間は、決まった作業の進み具合を追う時間に回せる。

CopilotのTeams議事録で迷いやすい3つの論点

会議の進め方まで決めても、使い始めると同じ質問が繰り返し出てきます。公式ページで確認できる範囲で回答します。

ライセンスのない参加者にもCopilotの議事録は見えるか

Copilotとの会話は、質問した本人にしか見えません。共有するには、応答をコピーして会議チャットに貼るか、Wordで開いて保存したファイルを渡します。

ファシリテーターが作るメモは、外部参加者を除く参加者がチャットとメモで閲覧できる(Microsoft Teams 会議のファシリテーター)。

録画を残さずに議事録だけを作れるか

作れます。録画を始めずに文字起こしだけを開始すれば、会議後もトランスクリプトをもとにCopilotへ質問できる。

ただし、トランスクリプトが使えなくなると、その会議のCopilotも使えなくなり、Copilotとの会話の履歴もすべて削除されます。議事録をWordかチャットに保存してから、トランスクリプトを削除する順番にします。

定例会議で前回のCopilotとの会話を使えるか

使えないことがあります。定期的な会議では、シリーズの後の回で文字起こしをすると、前の回のCopilotとの会話履歴は使えなくなる。前回の議事録は、毎回WordかTeamsのチャネルに保存しておきます。

なお、会議の種類ごとの録音と文字起こしのルールづくりは、リデザインワークのAX支援でも無料でご相談を承っています。

Copilotの議事録は会議で口に出した言葉で決まる

ここまで見てきたとおり、Copilotを使うと議事録の作業は清書から確認に変わります。そのとき議事録の出来を決めるのは、記録係の文章力ではありません。会議の中で、決定・担当者・期限が言葉になっていたかどうかです。

次の定例で、決めたら一文で読み上げる、担当者と期限を口に出す、の2つを試してみてください。会議後に指示文を貼れば、「未定」の欄がいくつ減ったかで効果が分かります。Copilotの答えが当たり障りのない内容にとどまるときの原因の切り分けは、Copilotが使えない原因で扱っています。

リデザインワーク 編集部

リデザインワークは、仕組みを変え、行動を変え、企業成長と多様な個人の活躍が同時実現できる企業づくりを、HRコンサルタントとAIプロダクトで支援する会社です。経営戦略と一貫した人事戦略を描くだけでなく、それが現場に定着し行動が変わるまで伴走する中で得た知見やノウハウを発信しています。

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