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リスキリングで変化が激しいビジネス環境への対応力を身につけるには?【リデザインワーク代表:林宏昌氏監修】

近年、少子高齢化による人手不足やグローバル化、IT技術革新の進歩などの企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化しています。そうしたなか、企業が目指すビジネスモデルと現状の人材戦略にギャップが生じているケースが見られています。

「デジタル技術を用いてDXを推進できる人材がいない」「現在の人材では新たな事業の展開やポートフォリオの変化に対応できない」などの課題に直面している経営陣または人事担当者もいるのではないでしょうか。

事業環境の変化やビジネスモデルの変革に対応して、持続的な価値を創出し続けるためには、経営戦略と一体化させた人材の育成計画に取り組むことが重要です。

そこで新たに注目されているのが“リスキリング”です。リスキリングは、海外で注目されている人材育成の手法の一つで、近年日本でもその必要性が認識されつつあります。

当編集部では、リデザインワーク代表の林 宏昌さんの見解とともに、リスキリングの基礎知識やメリット・デメリット、人事制度構築の進め方などを解説します。


目次[非表示]

  1. 1.リスキリングとは
  2. 2.リスキリングと類似する言葉との違い
  3. 3.リスキリングが必要とされている背景
    1. 3.1.DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
  4. 4.デジタル技術の進展による職務の変化
  5. 5.リスキリングに取り組むことで期待できるメリット
    1. 5.1.①生産性の向上
    2. 5.2.②人手不足への対応
    3. 5.3.③従業員エンゲージメントの向上
  6. 6.リスキリングに取り組むうえでの問題点
  7. 7.成長を後押しするリスキリングの進め方
    1. 7.1.①今後自社に求められるスキルを定義する
    2. 7.2.②リスキリングの対象とする従業員を決定する
    3. 7.3.③スキルの現在地を把握する
    4. 7.4.④教育プログラムの選定
    5. 7.5.⑤教育プログラムの実践
  8. 8.リスキリングに取り組む際の注意点
    1. 8.1.従業員が自発的に行動できる組織体制をつくる
    2. 8.2.スキルの棚卸を実施して見える化をする
    3. 8.3.効果測定とフィードバックを繰り返す
  9. 9.まとめ


リスキリングとは

リスキリングとは、新しい職業に就く、あるいは今の仕事で必要とされるスキルの大幅な変化に対応するために必要なスキルを習得することです。


▼キャリアアップにつながるリスキングのイメージの例

リスキリングの内容

転職先の業種・職種等

データベーススペシャリスト

ITコンサルティング(正規、マネージャー~シニアコンサルタント職)

オラクルマスター(ゴールド)

証券外務員一種

証券(正規、営業)

基本情報技術者試

銀行(正規、経理職)

フィナンシャルプランナー(2級)

IT(正規、開発)

建設業経理士2級

保険(正規、営業)

ディープラーニングG検定

建設業(正規、経理)

経済産業政策局『リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について』を基に作成


単に新たなスキルを習得することとは区別して扱われており、“新しい仕事や新しい職務に移行するスキルを獲得する”目的があります。

また、個人が主体となって関心のあるスキルを身につける、いわゆる“学び直し”ではなく、企業側の戦略的なニーズに沿って新たなスキルを習得する(させる)という意味合いが強くなっています。

リスキリングは、2010年代前半にアメリカの大企業が導入を開始してから世界的に広がりを見せていますが、日本においては大企業を中心とした取り組みにとどまっており、全体的にはリスキリングの機会が不足している状況です。


▼リスキリングの取り組み状況

リスキリングの取り組み状況


画像引用元:経済産業政策局『リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について


企業が持続的な価値の創出につなげていくには、経営戦略やビジネスモデルの変化を踏まえたうえで必要なスキルを再検討して、従業員のリスキリングを促進させることが重要といえます。

出典:経済産業省『リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―』/経済産業政策局『リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について



リスキリングと類似する言葉との違い

リスキリングと類似する言葉に、リカレント教育やOJT、アップスキリング、アウトスキリングがありますが、それぞれ意味が異なります。


▼リスキリングと類似する言葉の意味

言葉

意味

リカレント教育

現在の職場から離れて、仕事と教育を繰り返しながら新しいスキルを習得すること

OJT

現在の職業と職務のなかで、実際の仕事を通して必要なスキルや技術を身につけること

アップスキリング

現在の職務・役割のなかで求められるスキルを習得して、知識や技術の向上を図ること

アウトスキリング

人員整理の対象またはその可能性がある従業員に対して、人材需要のある分野のスキル教育を実施して、転職または起業を通して新たなキャリアを支援すること


上記とリスキリングとの違いは、スキルを習得する目的や現在の職業・職務との関連性にあります。

リカレント教育は、現在の職場を離れて新しいことを学ぶことが前提となっています。これに対してリスキリングは、現職に就きながら新たな職種・職務に就くためのスキルを習得するという違いがあります。

OJTは、社内の“いまある職務”を通して、実際に仕事に取り組みながらスキルを習得することが目的です。一方のリスキリングでは、“いまない職務”または“求められるスキルを持つ人がいない職務”に対して、必要なスキルを習得する目的があります。

また、アップスキリングは現在の職務・役割を変えずにスキルをアップデートすることを指しますが、リスキリングは“現在と異なる職種や職務に就くため”にスキルの習得を図ります。

アウトスキリングは、企業の都合によって退職する従業員のキャリア形成を支援することが目的です。これに対してリスキリングは、“同じ職業で価値を創出し続けるためにスキルを学ぶ”という目的があります。



リスキリングが必要とされている背景

日本企業にリスキリングが必要とされている背景には、企業を取り巻く事業環境の変化によって人材に求めるスキルが変わってきていることが挙げられます。具体的な背景には、次の2つが挙げられます。


DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

経営の不確実性が高まる今、事業環境の急速な変化に柔軟に対応して、競争優位性を高めていくには、AIやIoTなどのデジタル技術を活用してビジネスモデルの変革を図る“DX”を推進させることが重要といわれています。

DXの推進には、デジタル技術を活用したシステム基盤の構築やビッグデータの利活用に対応できるIT人材が必要です。しかし、少子高齢化による労働力人口の減少や既存スキルの陳腐化などによって、IT人材は量・質ともに不足しています。

DXを推進していくには、デジタル技術に関する専門的な知識・技術を持ち、ITを活用して新たな価値創造につなげる人材を育成することが求められます。


▼デジタル社会における人材像

デジタル社会における人材像

画像引用元:厚生労働省『経済産業省の取組


出典:厚生労働省『経済産業省の取組



デジタル技術の進展による職務の変化

AIやIoTなどのデジタル技術の急速な進展は、業務の効率化、人手不足の解消などのさまざまな効果を企業にもたらしています。

一方で、これまで人の手で行ってきた定型的な業務がデジタル技術によって機械化・自動化されることで、タスクの内容や仕事の在り方などが変化しています。

人材という資産を最大限に生かすには、デジタル技術を用いたより専門性の高い職務や、自動化・機械化できない付加価値の創出につながる職務に対応するための新たなスキルが求められるようになると考えられます。



リスキリングに取り組むことで期待できるメリット

既存の従業員へリスキリングの機会を創出して、新しい職務に転換するためのスキルの習得を後押しすることで、さまざまなメリットにつながると期待できます。


①生産性の向上

1つ目のメリットは、生産性の向上です。

リスキリングを通してデジタル技術を習得すると、社内のAIやIoT、ITシステムなど導入が進み、非効率な業務の省人化・自動化を図れるようになります。

また、ほかの業務で培った知識・ノウハウを生かしながら、現在の業務フローの課題点を見つけ出して、改善策の提案や運用管理を行うことも可能です。

このように、より専門性の高い職務に就いてもらいビジネスモデルの変革を図ることによって、組織全体の生産性向上につながると期待できます。


②人手不足への対応

2つ目のメリットは、人手不足への対応です。

競争が激しい市場環境において企業が持続的に成長していくには、既存の事業領域に捉われずに、市場のニーズを踏まえて新しい商品・サービスの開発やグローバル進出などを視野に入れていく必要があります。

既存の従業員へリスキリングを実施して、新たな事業展開をするうえで必要または不足している業務上のスキルや知識を習得させることで、人手不足の課題を解消できる可能性が期待できます。


③従業員エンゲージメントの向上

3つ目のメリットは、従業員エンゲージメントの向上です。

企業がリスキリングの機会を提供することは、従業員が異なる職種・職務でのキャリアを形成するための手助けとなります。

新たな事業の展開にあたって必要となるポストや役割を募集して、希望に応じたキャリアを歩む選択肢を設れば、「同じ職務に就き続けることに不安がある」「新しいことに挑戦したい」と考える従業員のニーズに対応できるようになります。

その結果、従業員エンゲージメントが高まり、人材の定着化にも結びつくことが期待できます。



リスキリングに取り組むうえでの問題点

企業がリスキリングに取り組む際は、次のような問題点が生まれやすくなります。


▼よくある問題点

  • 配置転換や仕事の変化に難色を示す従業員が現れることがある
  • 教育プログラムを社内で準備できない
  • スキルのギャップを把握しておらず、従業員任せになっている


リスキリングは、現在と異なる職種・職務に就くために必要なスキルを習得することが目的です。スキルの習得後には、配置転換や職務の変更を行うことになることから、従業員のなかには難色を示す人もいると考えられます。

経営陣・人事部門では、リスキリングの必要性や新しい職務の可能性について説明を行い、従業員の不安・懸念点を軽減する取り組みが求められます。

また、デジタル技術をはじめとする高度なスキルは、社内の研修やeラーニングだけで習得することが難しいケースもあります。“現場で使えるスキル”を習得させるには、社外サービスの活用や民間事業者との連携をしながら、教育プログラムを準備することが必要です。

さらに、「どのような職種・職務のために何のスキルを習得するのか」があいまいでスキルのギャップを把握できていない場合、従業員任せの取り組みとなり、スキルの習得が進まなくなる可能性があります。

リスキリングを促進させるには、経営戦略を踏まえたうえで現在のスキルと将来必要になるスキルを可視化して、従業員への働きかけを行うことが重要です。


――リスキリングに取り組むうえでの問題点について、特に重要なものはあるでしょうか?​​​​​​​

林:日本の会社で多く起きているリスキリングの問題点として、リスキリングを従業員任せにしてしまっていることがあります。


これまで、日本でのキャリア形成は会社主導でした。現在はそれが転換期を迎えており、多くの会社は会社主導から個人主導に転換しようとしています。しかし、事前準備もせずに「キャリアは従業員の皆さんに自律的に構築してほしい」「自分で考えてください」と従業員に押しつけてしまい、そのプロセスがうまくいかないケースも見られています。


これまで自身のスキルについて自分で考える土壌がなかったところにリスキリングを押しつけられても、「自分に今何のスキルが足りないのか」「今の自分にとって何が強みで何が課題なのか」が分かりらず、結果的に適切なリスキリングができません。


従業員の現在のスキルと、ゴールとして求めるスキルのギャップを会社側が把握したうえで、教育プログラムを設定してあげることが必要です。


また、事業戦略を踏まえて必要な人材要件を定め、そこに必要なスキルを身に着けてもらうという本来の意図で再設計する必要があります。



成長を後押しするリスキリングの進め方

ここからは、経営陣・人事部門が従業員のリスキリングを進める手順について解説します。


①今後自社に求められるスキルを定義する

リスキリングに取り組むには、今後自社にどのようなスキルが必要になるのかを定義づける必要があります。スキルを設定する際に確認しておくポイントには、以下が挙げられます。


▼スキルを定義する際に確認するポイント

  • 特定の職務に就くための人材のスキルで不足している要素があるか
  • 目標とするビジネスモデルの実現に必要または不足するスキルは何か


リスキリングの対象とするスキルを定義する際は、中長期的な経営戦略と紐づけて、「どのような人材を自社で育成していく必要があるか」を検討することが重要です。


②リスキリングの対象とする従業員を決定する

経営戦略を踏まえて今後必要になるスキルを定義したあとは、リスキリングの対象とする従業員を決めます。

一部の部署や従業員に対象を絞るのではなく、現場の職務を遂行するすべての従業員へ視野を広げて、習得するスキルと近接する領域から人材を決めていくことがポイントです。

なお、リスキリングの対象とする従業員を決める際には、適材適所と適所適材の2つの考え方があります。


▼適材適所と適所適材の考え方

対象者を選ぶ視点

考え方

適材適所

人材が持つスキルを基に、適した職務や役割を決定する

適所適材

職務内容や役割を決めてから必要なスキルを明らかにして人材を選定する


企業の人材ニーズを踏まえつつ、リスキリングを通して個々が持つ能力や特性を最大限に発揮させるためには、まず職務と役割を決めてから適した人材を配置する“適所適材”が有効といえます。海外企業におけるリスキリングの取り組みでは、適所適材の考え方が主流となっています。


なお、適所適材の考え方を取り入れた雇用のスタイルといえる“ジョブ型雇用”については、こちらの記事で詳しく解説しています。

​​​​​​​   ジョブ型雇用で競争力を強化する! メリット・デメリットや人事制度設計の注意点【リデザインワーク代表:林宏昌氏監修】 企業の経営陣や人事部門の担当者のなかには「ジョブ型雇用とはどのような考え方なのか」「人事制度に導入するメリット・デメリットには何があるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。当編集部では、リデザインワーク代表の林 宏昌さんの見解とともに、ジョブ型雇用の考え方やメリット・デメリット、注意点などについて解説します。 Redesign Work


③スキルの現在地を把握する

リスキリングのためには、従業員が現在保有しているスキルの現在地を把握して、将来必要になるスキルとのギャップを把握することが重要です。

スキルの現在地とギャップを把握する方法には、以下が挙げられます。


▼スキルの現在地とギャップを把握する方法

  • 各従業員の能力や技能のレベルを見える化したスキルマップを作成する
  • 社内外の人材要件や求人情報、研修情報などを基に、職務に求められるスキルの内容とレベルを分析する


スキルの現在地を把握することによって、「新たな職務に就くためにどのようなスキルが足りないのか」「従業員が持つ強みや弱みは何なのか」を明らかにできるようになります。

その結果、対象とする従業員一人ひとりが効率的にスキルを習得するための教育プログラムの内容を検討しやすくなります。


④教育プログラムの選定

スキルの現在地を明らかにしたあとは、不足しているスキルを習得するための教育プログラムを選定します。

専門性が高く高度なスキルを習得するにあたって、コンテンツを社内で用意するのが難しい場合には、社外のサービスやプラットフォームを活用することが有効です。また、教育プログラムは従業員の習熟度や段階に応じて選ぶ必要があります。


▼教育プログラムの例

  • プロによるスキル習得講座の実施
  • 社外でのワークショップへの参加
  • マイクロ・クレデンシャルの活用
  • ハッカソンの実施


マイクロ・クレデンシャルとは、特定の分野・領域に関する講座の修了者にスキルの認定証やバッジを付与する教育プログラムのことです。また、ハッカソンとは、ITエンジニアやプログラマー、デザイナーなどが集まり、特定のテーマに沿って開発を行うイベントです。


⑤教育プログラムの実践

従業員に対してどのような教育プログラムを実施するかを決定したら、リスキリングの実践に移ります。

新しいスキルを習得するための学習は、従業員の負担につながるリスクがあります。効率的に学習を進めるには、リスキリングに集中できるようにサポートする体制を整えることが重要です。


▼サポート体制を整えるポイント

  • 面談を通して目標の達成状況や課題を把握して、必要に応じて教育プログラムの見直しを実施する
  • リスキリングの対象となる従業員の実務をフォローする担当者を確保する


また、スキルを習得したあとは、現場で実践をして経験を積むことも重要です。新しい職種・職務にすぐに就かせるのではなく、社内インターンシップやお試し配属などの仕組みを取り入れることがポイントです。


――リスキリングの進め方について、押さえておくポイントはあるでしょうか?

林:押さえておくポイントとして、リスキリングの対象となるスキルや従業員を決定する際に、中長期的な経営戦略と紐づけることが挙げられます。


現在、日本の多くの会社におけるリスキリングは、「今いるあまり働いていない人が学び直して活力を取り戻して頑張ってほしい」という程度の位置づけになっており、あまり成果に結びついていません。これは日本に戦略的なリスキリングが定着していないことが原因と考えられます。


リスキリングはグローバルで叫ばれているテーマですが、海外で行われているリスキリングでは、もっとテーマがはっきりしています。例えば、自動車産業でいうと、今後はEVが主流になるため、これまでエンジンを作っていた人たちも電子制御の技術を学んでいかないといけません。そのためにリスキリングを行うという流れです。このように、中長期的な経営戦略とリスキリングがセットになっています。


「働いていない人に対して職務を与える」ような適材適所の発想では、リスキリングはうまくいかない可能性があります。経営戦略を踏まえて、職務内容や役割に対して必要なスキルを明らかにしたうえで、その近接領域からリスキリングの対象となる人材を選定する“適所適材”の考え方が重要といえます。



リスキリングに取り組む際の注意点

リスキリングには、運用のコストとスキルを習得するまでの時間がかかります。効率的に取り組むために、以下の注意点を押さえておくことが重要です。


従業員が自発的に行動できる組織体制をつくる

新しいスキルを効率的に習得するためには、従業員がモチベーションを保ちながら、自発的な行動ができる組織体制をつくることが大切です。


▼自発的な行動を促す組織体制づくりの例

  • スキルの習熟度をデータで管理できる仕組みを整えて、従業員が自分で教育プログラムの内容や頻度を選択できるようにする
  • 学習のグループや表彰制度を設けて意欲の醸成を図る
  • 企業が目指す方向性やリスキリングの重要性を経営陣が発信をして、新しい職務の可能性を伝える
  • 学習したことを早期にアウトプットできる見習い制度を導入して、モチベーションの維持を図る


スキルの棚卸を実施して見える化をする

リスキリングに取り組む際は、スキルの棚卸を実施して現状を見える化することが重要です。

スキルを見える化できていない場合、新たな職種・職務に求められるスキルを獲得するための教育プログラムを選定できず、十分な効果につながらなくなるリスクがあります。

従業員が持つスキルの棚卸を行い、企業が目指すゴールとのギャップを定量的に把握することで、現場の課題に応じた効果的な育成計画を立てられます。


効果測定とフィードバックを繰り返す

研修やスキル講座などの教育プログラムを実践する際は、定期的に効果測定を行い従業員へフィードバックを繰り返す必要があります。

教育プログラムの実施後に効果測定を実施して「どのような効果が得られたのか」「なぜうまく行かなかったのか」「スキル習得のスピードに差があるのはなぜか」などを把握することで、改善策につなげられます。

効果測定を行う方法には、以下が挙げられます。


▼教育プログラムの効果測定を行う方法

  • 従業員へのアンケートを実施して満足度を測定する
  • 学習後にeラーニングまたは実演のテストを実施して習熟度を測定する
  • 従業員の行動変容を把握するチェックリストを実施する



まとめ

この記事では、リスキリングについて以下の内容を解説しました。


  • リスキリングの意味
  • リスキリングと類似する言葉との違い
  • リスキリングが必要とされている背景
  • リスキリングに取り組むうえでの問題点
  • リスキリングの進め方と注意点


DXの推進やデジタル技術の進展により職務が変化する今、新たな職種・職務への人員配置、専門性の高いIT人材の確保が求められており、企業におけるリスキリングの必要性は高まっています。

リスキリングに取り組む際は、対象のスキルを明らかにするとともに、従業員が持つスキルの現在地を把握したうえで、将来に必要になるスキルとのギャップを埋めるための育成方法を検討することが重要です。

また、効率的にスキルの習得を進めるには、従業員がリスキリングに取り組みやすくするためのサポートや自発的な行動を促す組織づくり、効果測定とフィードバックの実施がポイントです。

当社の人事戦略コンサルティングでは、リスキリングをはじめとする採用・人事制度の設計や人材育成を一気通貫で支援しています。企業の持続的な成長につながる人事組織へ変革を図りたいとお考えの方は、リデザインワークまでお問い合わせください。

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